退去時には原状回復をしないといけません。原状回復についてはトラブルが多いため、国土交通省からガイドラインが発行されています。そして、そのガイドラインには前例が多いからという理由で、住宅の各部分について負担区分がわけられています。
床、壁・天井、建具、設備・その他での分類がありますが、今回はこの中でも特に多い床、壁・天井、建具についてご紹介していきます。
床について
床は畳やフローリングやカーペットなどが対象になります。床は住宅の中でもかなり消耗が激しいところで、予期せぬ過失や故意による損耗が出やすい部分です。例えば、カーペットが消耗によってすり減ってしまった、畳が日焼けをしたなどの場合、これは通常損耗として扱われて借主の負担はありません。しかし、家具を引きずって傷ができた、たばこを落としてしまってカーペットに穴が開いてしまった、窓を開けていて雨が入りカビが生えてしまったなどの場合は借主負担になってしまいます。
>壁について
壁は通常の使用ではあまり汚れたりすることはありません。具体的な例は以下のようなものが挙げられています。
冷蔵庫を置いていることによって起こる壁の黒ずみ、エアコン設置によって起こる壁のビス止め跡、日焼けによる変色は故意や過失ではありませんので借主負担はありません。しかし、台所の油汚れ(油汚れは予測できますし、防ぐこともできます)たばこの匂いとヤニの汚れ(たばこは数年前までは家主負担でした)、落書きなどは故意、過失として挙げられます。
建具について
建具とはふすまや柱のことを指します。ほとんどが木製で出来ているため、傷もつきやすく故意、過失か自然劣化が見極めが難しいところです。網戸の張り替えや地震での破損は故意や過失ではありませんので借主負担はありません。落書きやペットによる傷は借主の故意や損失ですので負担をすることになります。
負担区分の明確性
いかがでしたでしょうか?負担区分はその明確性がはっきりとしていますので、イメージしやすかったと思います。また、こういった例は良く判例にも挙げられていますので、参考になったのではないでしょうか?